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「困った!」解決ミニミニ手帳① 国民健康保険について

「はぐくみ通信」の2面には、毎回”「困った!」解決ミニミニ手帳”という社会保障や税制度、働く者の権利に関する情報を載せています。

執筆者のHは法律家でも公務員でも政治家でも福祉の専門家でもありませんが、以前の医療機関でのお仕事や労働組合活動を通じて社会保障問題に取り組んできました。取り組みの整理や勉強もかねて、通信を手に取ってくださる誰かの助けになれば、という思いで書いております。

第1号の2面に掲載した「国民健康保険について」を転載します。原本を書いたのは5月上旬、HPを作りながらブログ原稿を書いている今は6月上旬。そろそろ国民健康保険料の決定通知が送られてくる頃です。それを見越して書いたのが元ネタの記事です。

なお、紙面上は紙幅の都合もあるのでかなり端折って書いております。

紙幅の制限がない?ここでは少しずつ加筆できれば、と考えています。

①国民健康保険のあらまし

国民健康保険は、協会けんぽなどの被用者保険の対象にならない方(零細企業労働者・自営業者・健保の要件を満たさない労働者・農漁民・失業者など)を対象にした保険です。建築業や医師・薬剤師など職種ごとの国保組合が結成されている場合もありますが、多くの場合は市町村ごとの国民健康保険に加入することになります。

②高すぎる国保料

国保料が対象者の収入に比べて「高すぎる」ということがずっと指摘されています。たとえば給与収入380万円の40歳未満の単身者でも年約38万7000円、月約32000円も支払わなければなりません(健康保険だけで、国民年金は別の支払いです)。

しかも、滞納を続けた場合、窓口負担がいったん10割になる資格証明書の発行(=事実上の保険証の取り上げ)が行われることもあり、80年代半ばから大きな社会問題となっています。しかし、そもそもの保険料が高いため、加入すらとまどい無保険となる人も少なくありません。。資格証明書や無保険による「手遅れ死」は、全日本民医連という医療団体の集計で毎年40人~50人、08年のNHKスペシャル「セーフティネット・クライシス」取材班の調査では年間400人にも上ります。

背景には、国が2000年代以降社会保障費を大幅に削減する中で、自治体国保に対する補助金を減らし手来たことがあります。

③減免制度はあっても

国保には前年度の収入をもとに2割~7割の幅で均等割(一人頭にかかる金額)や世帯割(世帯にかかる金額)を減免する法定減免制度(申請不要)や、神戸市独自の制度として、数年前に国保料の計算方式を変えた後の経過措置として「当面の間」独自の所得控除を利用した軽減措置を行っています。ただし、神戸市独自の制度は所得税・地方税の申告(確定申告)もしくは市の調査ハガキへの返信を行った方のみ対象となります。確定申告を行っていない方は対象にはなりません。この場合は市税事務所などに相談しましょう。

前年度から所得が急激に減少したり、解雇や倒産、パワハラなど自発的でない理由で失業した人に対する軽減制度(申請要)もあります。また、国保法第44条のように医療機関で支払う一部負担金を減免する制度もあります。しかし、こうした制度はあまり周知されておらず、特に44条減免はほとんど使われていないといっていいような現状です。

④まずは自治体窓口や頼れる人に相談を

自治体資格証明書発行(事実上の保険証取り上げ)や無保険による「手遅れ死」が相次ぎ、議会やマスコミで大きな批判を浴びてからは、そうそう無慈悲な対応はしなくなりました(しかし、まだまだ問題のある対応はありますが…)。08年からは、厚生労働省の通達により18歳以下の子どもには滞納があっても資格証明書を発行せず短期保険証を交付することになりました。自治体と交渉するとどこの自治体でも「資格証明書は相談に全く応じない悪質滞納者だけ。相談に来てくれれば対応する。」と返答します。まずは自治体窓口に相談しましょう。

不安であれば、議員や支援してくれる人や団体、医療機関の相談員などに相談し、同行してもらいましょう。

神戸市内では毎年6月、社会保障推進協議会という団体が市内各所で「国民健康保険相談会」を行っています。

「はぐくみ」のある長田区では6月17日(14時~16時)に宮川地域福祉センター、18日に新長田勤労市民センター(9時30分~11時30分)、20日にいたやどクリニック(13時~15時)で国保相談会が行われます(主催は長田区社会保障推進協議会・Hもお手伝いしています)。

相談会に来られなくても、支援団体や議員事務所では随時相談に対応

健康保険は人の命と健康を守る命綱です。それは国民健康保険であっても同じです。高すぎる保険料がくらしを圧迫する現状は到底見過ごせません。国保料引き下げに向けた取り組みも行っていきましょう。

神戸市は国民健康保険加入者向けに「国保ミニミニ百科」というものを配っています(市役所や区役所でも配布しています)。

http://www.city.kobe.lg.jp/life/support/insurance/img/27minimini.pdf

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